作り直す前に、質問される料理だけを1週間書き出す
まず訳すのは、外国人のお客様に実際に質問された料理だけです。
レジ横の紙に1週間、聞かれた料理名を正の字で数えれば、直す範囲はそれだけで決まります。
先に決めるのは、メニューをどこまで訳すかです。
注文で詰まる料理は、だいたい決まっています。
日本語が分かる人なら名前を見ただけで中身が想像できるのに、そうでない人にはまったく想像がつかない、そういう料理でお客様の手が止まります。
注文で詰まる料理はメニュー全体にまんべんなく散らばっているわけではないので、聞かれる料理を先に見つけてしまえば、訳す範囲はぐっと狭くなります。
レジ横にメモを置いて「聞かれた料理名」だけ正の字で数える
用意するのは紙1枚で足ります。
外国人のお客様から質問が出たら、聞かれた料理名の横に線を1本引いていってください。
それを1週間続けます。
何を聞かれたかまでは書かなくて大丈夫です。
回数さえ分かれば、どれから直すかは自然に決まります。
記録する人を1人に決めてしまうと、その人が休みの日は記録がまるごと抜けます。
紙をレジ横に置いておいて、手が空いた人が線を引けるようにしておいたほうが、1週間ぶんの記録がきちんと残ります。
質問は3種類に分かれる(何の肉か/辛いか/量はどれくらいか)
1週間ぶんを並べてみると、質問がだいたい3つに集まっているのが分かります。
「これは何の肉ですか」「辛いですか」「量はどれくらいですか」。
宗教や食習慣で食べられないものがある方は1つめを、辛いものが苦手な方は2つめを、みんなで分けるかどうかを決めたい方は3つめを聞いてきます。
だとすると、メニューに書いておくべき情報も、何の肉か・辛いか・量はどれくらいかの3つになります。
おいしさを伝える言葉は、メニューでは要りません。
ただ、その3つを聞く前の段階で止まってしまう料理もあります。
「そもそもこれは何ですか」で止まってしまうものです。
「そもそもこれは何ですか」で止まってしまう料理は、実際にお客様を店へ案内していると毎回出てきます。

ラーメン店めぐりや新宿バーホッピングでは、基本的にメニューの説明は私から行っています。というより、私に一任されることが多いです。通訳を頼まれたもので覚えているのは、梅(梅酒)、魚類、かまぼこ、卵焼きです。一番聞かれるのは大根おろしです。ただし魚は私も英語が分からず、その場でスマホで調べてお答えしました。魚系は普段海外の方が口にしないので、特に気にされるのだと思います。
通訳を頼まれた言葉として出てくるのは、大根おろし、かまぼこ、卵焼き、梅。
どれもメニューの主役ではなくて、付け合わせだったり、料理名の一部として小さく書かれているだけの言葉です。
店の側が「これはわざわざ訳すものでもない」と思っている単語ほど、お客様から質問されます。
魚の名前のように、通訳をしている人間でもすぐには答えられない言葉もあります。
ご自身の店で1週間数えるときは、料理名だけでなく、その中のどの言葉を指されたかまで書き留めてみてください。
丼の名前ではなく上に載っているものを指されているなら、直すのは見出しではなく説明文です。
書き方をそろえるのは、どの商品にも同じ形の値札をつけるようなものです。
メニューが答えるべきは、この3つの質問と、訳さずにきた小さな言葉です。
英語メニュー1品に載せる4項目を決める
英語メニュー1品に何を書くかを先に決めてしまいます。
1品に書く項目を決めずに書き始めると、思い入れのある料理だけ説明が3行になって、定番の料理が1行で終わります。
読む人は、説明が長い料理を「店のおすすめ」と受け取ります。
そんなつもりがなくてもそう読まれてしまうので、書き方はそろえておいたほうがいいです。
英語名は「直訳」ではなく「材料+調理法」で置き換える
「肉じゃが」を Nikujaga と書いても、Meat and Potato と書いても、「これは何の肉ですか」には答えられていません。
前者は情報がありませんし、後者は肉の種類が分かりません。
Simmered pork and potatoes のように材料と調理法を入れておけば、聞かれる前に文字のほうで答えられます。
説明文は1品15語前後、読ませずに拾わせる長さにする
説明文を最初から最後まで読むお客様は、まずいません。
目についた単語だけを拾っていきます。
長さの上限を決めておかないと料理ごとに情報量がばらつくので、1品15語くらいを目安にしています。
きれいな文章にすることより、材料の単語が目に留まるほうを優先してください。
書かなくてよい情報を先に捨てる(由来・歴史・こだわり)
創業からの年数、産地へのこだわり、料理の由来。
どれも注文を決めるときには読まれません。
書かないと先に決めておかないと、説明文はどこまでも伸びていきます。
どうしても伝えたい話があるなら、メニューではなく卓上の別紙に分けてください。
自分の店でも、付け合わせのような当たり前の1品に英語を添えてください。
英語メニューの書き方の見本|和食・居酒屋・カフェの3枚
ツアーで実際に通訳を頼まれた5品を、そのまま写せる英語メニューにしました。
和食・居酒屋・カフェの3業態ぶんあるので、自分の店に近い1枚を選んで料理名を差し替えれば使えます。
外国人のお客様が聞いてくるのは、店が思っている料理とは別の料理です。
私がツアーで説明を頼まれたのは、次の5つでした。

大根おろし、かまぼこ、卵焼き、梅酒、それに焼き魚です。この5つは、店を替えても同じように聞かれます。多いのは大根おろしでした。
一番聞かれたのが大根おろしだというのは、店の側では思いつかないことだと思います。
大根おろしは付け合わせなので、メニューに独立した行がありません。
日本人には説明の要らないものほど、外国人のお客様には何の料理か分からないものになります。
5品を、そのまま写せる形にした見本
左が日本語のメニュー名、右がそのまま英語メニューに載せられる形です。
英語名の下に、材料と調理法を1行足すという形で全品そろえています。
| 料理 | 英語名 | 説明文 | なぜこう書くか |
|---|
| 大根おろし | Grated Daikon Radish | Fresh white radish, finely grated. Served cold, mixed into the dish or on the side. | Grated radish だけでは何の根菜か分からない。Daikon を残して、冷たいものだと先に言う |
| かまぼこ | Kamaboko (Steamed Fish Cake) | White fish paste, steamed and sliced. Mild and slightly sweet. | Fish cake だけだと揚げ物と思われる。steamed を入れて調理法で切り分ける |
| 卵焼き | Tamagoyaki (Rolled Omelet) | Egg and dashi broth, pan-rolled and sliced. Served warm or cold. 3 pieces. | Omelet と書くと洋風の卵料理を思い浮かべられる。rolled と sliced で形を伝える |
| 梅酒 | Umeshu (Japanese Plum Liqueur) | Sweet liqueur made from Japanese plums. Served on ice, or mixed with soda. | Plum wine と書くとワインの度数だと思われる。liqueur にして、飲み方を並べる |
| 焼き魚(さば) | Grilled Mackerel | Whole mackerel, salted and grilled. Contains small bones. 1 fillet. | 魚は種類まで書かないと注文されない。骨の有無は聞かれる前に書く |
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魚については、私も英語名がすぐに出ませんでした。

さばやぶりの英語名は、私もその場では出てきませんでした。お客様の前でスマホを開いて、調べてからお伝えしています。
魚の英語名をその場で調べれば済む話ではあります。
ただ、調べているあいだ注文は止まりますし、混んでいる時間なら調べに行けません。
魚の英語名を一度だけ書いておけば、次から聞かれません。
5品に共通するのは、誤解されそうな点を1行で先に説明していることです。
まずは自店でよく出る5品を、同じ形に書き換えてください。
業態別の見本|和食・居酒屋・カフェの3枚
出す料理は業態で変わります。
自分の店に近い1枚を選んで、料理名だけ差し替えてください。
書き方はどれも同じです。
和食店の見本
疑問がいちばん出るのが和食です。
付け合わせや練り物のように、日本人には説明の要らないものほど、お客様にはそれが何なのか分かりません。
| 料理 | 英語メニューへの書き方 |
|---|
| 刺身の盛り合わせ | Assorted Sashimi Five kinds of raw fish, sliced. Served with soy sauce and wasabi. 5 pieces. |
|---|
| 茶碗蒸し | Chawanmushi (Savory Egg Custard) Steamed egg with dashi broth, chicken and mushroom. Served warm in a cup. |
|---|
| 天ぷら盛り合わせ | Assorted Tempura Shrimp and seasonal vegetables, deep-fried in light batter. 6 pieces. |
|---|
| 大根おろし | Grated Daikon Radish Fresh white radish, finely grated. Served cold, on the side. |
|---|
| 味噌汁 | Miso Soup Soybean paste soup with dashi broth, tofu and seaweed. Contains fish stock. |
|---|
居酒屋の見本
居酒屋は、料理より先に飲み方と量を聞かれます。
「1人前がどれくらいか」が分からないと、何品頼めばいいか決められません。
| 料理 | 英語メニューへの書き方 |
|---|
| しめさば | Shimesaba (Vinegar-Cured Mackerel) Mackerel cured in salt and vinegar. Served cold, not cooked. 4 slices. |
|---|
| 焼き鳥(もも・たれ) | Chicken Thigh Skewer, Sweet Soy Glaze Grilled over charcoal. 2 skewers per order. |
|---|
| 枝豆 | Edamame Boiled green soybeans in the pod, lightly salted. Pop the beans out to eat. |
|---|
| だし巻き卵 | Dashimaki Tamago (Rolled Omelet) Egg and dashi broth, pan-rolled and sliced. Served warm. 4 pieces. |
|---|
| ハイボール | Highball Japanese whisky with soda and ice. |
|---|
「しめさば」は、私がツアーで実際に聞かれた料理です。

「これは何?」と聞かれました。居酒屋に行ったときです。しめさばでした。
しめさばは、生か火を通してあるかが、見ただけでは分かりません。
not cooked の3語を入れておけば、この質問をされずに済みます。
カフェの見本
カフェは料理名が英語のままのことが多いので、書き足すのは中身とサイズです。
| 品目 | 英語メニューへの書き方 |
|---|
| 本日のコーヒー | Coffee of the Day Single origin, changes weekly. Ask staff for today's beans. Hot or iced. |
|---|
| 抹茶ラテ | Matcha Latte Stone-ground green tea with steamed milk. Sweetened. Hot or iced. |
|---|
| あんバタートースト | Anko Butter Toast Thick-cut toast with sweet red bean paste and butter. Contains dairy. |
|---|
| 自家製プリン | Homemade Custard Pudding Egg custard with caramel sauce. Contains egg and dairy. |
|---|
カフェで書き落としやすいのは、乳と卵が入っているかどうかです。
乳と卵が入っているかどうかは、一言足しておくだけで、席で聞かれる回数が変わります。
和食は料理が何なのか、居酒屋は量、カフェは乳と卵を書き足すだけです。
まずはよく出る数品から、近い見本にならって書き足してみてください。
調理法の英語は、この8つでほとんど足りる
料理名は店ごとに違いますが、調理法は、どの料理にも同じ英語が使えます。
先にこの8語を決めておくと、新しい料理を足すときも英語に迷いません。
| 調理法 | 英語 |
|---|
| 焼く(直火・網) | Grilled |
|---|
| 焼く(フライパン) | Pan-fried |
|---|
| 揚げる | Deep-fried |
|---|
| 煮る・煮込む | Simmered |
|---|
| 蒸す | Steamed |
|---|
| 生 | Raw |
|---|
| 和える | Dressed with(例:Dressed with sesame sauce) |
|---|
| 漬ける | Marinated / Pickled |
|---|
肉じゃがなら Simmered pork and potatoes、天ぷらなら Deep-fried shrimp and vegetables。
材料の単語と、この表の1語をつなぐだけで、直訳よりも意味が伝わる英語になります。
調理法さえ先に決めておけば、料理が増えても料理名の英語は作れます。
この8語をメモしておいて、お店の定番料理から当てはめてみてください。
料理に番号を振る。指させれば英語は要らない
書き方をそろえたら、最後に全品へ通し番号を振ってください。
番号は1番から順で構いません。
英語の発音が通じるかどうかは、店にとっても客にとっても確かではありません。
番号があれば、お客様は「Number seven, please」と言えますし、言えなくても指1本で足ります。
注文のときに英語を話す必要そのものがなくなります。
同じ番号を紙のメニューと卓上のQRコードの両方で使えば、席で見ている画面と紙を見比べられます。
番号を振り直すのは面倒なので、最初から番号に余裕を持たせて振っておくと、あとで料理を足したときに困りません。
番号は、英語が話せなくても指を差すだけで注文できるようにする仕組みです。
全品に通し番号を、余裕を持たせて振っておけば足ります。
食べ方が決まっている料理には、その1行を足す
つけ麺、そば湯、卵かけご飯、しゃぶしゃぶ。
手順を知らないと食べられない料理は、材料を書いても注文されません。
何が出てくるか分からないからです。
料理の説明文の最後に、食べ方の1行を足すだけで10分です。
Dip the noodles into the sauce before eating. これだけで、注文していいものかどうかの判断がつきます。
材料について聞かれるより、どう食べるのかが分からなくて店員を呼び止めるお客さんのほうが多いです。

私がツアーで通訳を頼まれるのも、材料の質問だけではありません。どう食べるのかを尋ねられる場面のほうが多いです。
食べ方が書いてあれば、店員を呼び止めるその1回が要らなくなります。
材料の説明よりも、食べ方の1行のほうが注文につながります。
食べ方の決まった料理だけ、英語で1行を書き足してください。
見本をそのまま使うときの注意
上の英語をそのまま写して構いません。
ただし材料の部分は、自分の店のものに置き換えてください。
卵焼きに砂糖を入れる店と入れない店がありますし、揚げ油を何と共用しているかも店ごとに違います。
書いた英語が自分の店の中身と合っているか。
書いた英語が自分の店の実際の材料と合っているかを確かめられるのは、厨房にいる人だけです。
見本は書き方をまねるためのもので、中身は店ごとに違います。
写した英語を厨房に持ち込み、材料が合っているか確かめてください。
無料の翻訳ツールで英語メニューを作る手順と人が直す場所
翻訳にお金をかけないのであれば、下訳は無料の機械翻訳で作ってしまって大丈夫です。
ゼロから英語を書くより速いですし、下訳としてなら精度も10分です。
気をつけたいのは、どこを人の手で直すかを決めないまま使ってしまうことです。
Google翻訳・DeepLの無料範囲でできること
無料で使える文字数や機能は、提供元の都合でわりとよく変わります。
ここに数字を書いてもすぐ古くなるので、着手する前に公式の料金ページを見てください。
確認先はDeepL の料金ページとGoogle 翻訳です。
東京都内の店なら、都の無料サイトでメニューごと作れる
翻訳ツールで英語のメニューを作るより先に、東京都が運営している「EAT TOKYO」を見てみましょう。
多言語メニューを作って印刷できるサイトで、利用料はかかりません。
| 項目 | 細目 | 内容 |
|---|
| 費用 | 利用料 | 無料 |
| 費用 | 自己負担 | インターネット料金、印刷費 |
| 対象 | 条件 | 店舗の住所が東京都内にあること |
| 対象 | 登録に必要なもの | 店舗名、都内の市外局番から始まる店舗の固定電話番号(携帯電話は不可) |
| 作れるもの | 言語 | 12言語。1つのメニューに載せられるのは5言語まで |
| 作れるもの | そのほか | コミュニケーションシート(指さし会話)、食品ピクトグラム |
スクロールできます →
都外の店は、EAT TOKYOを使えません。
ただし、EAT TOKYOのサイトを見るだけでも参考になります。
都が用意しているテンプレートは、料理名・説明・番号の並び方が決まっているので、自分でレイアウトを考えるときの参考になります。
詳細はEAT TOKYO 多言語メニュー作成支援ウェブサイトで確認してください。
東京都内の店なら、無料で多言語メニューを用意できます。
まず「EAT TOKYO」を開いて、テンプレートの並び方を見てください。
固有名詞・調理法・食感の3つは人が直す
機械翻訳の訳が正しくなりにくいのは、だいたい固有名詞・調理法・食感の3つです。
固有名詞・調理法・食感の3つだけを確認して直していきます。
見る場所を決めておけば、下訳の全文を読み直さずに済みます。
ローマ字表記を残す料理と、英語に置き換える料理の線引き
Ramen、Tempura、Sushi、Udon。
Ramen、Tempura、Sushi、Udonなどは海外でも名前が知られているので、ローマ字を残して、下に材料と調理法を書き添えます。
名前まで英語にしてしまうと、せっかくお客様が知っている単語とつながらなくなってしまいます。
逆に、知られていない料理名をローマ字で書くのは、文字が並んでいるだけで何も伝わりません。
ローマ字を残すか英語に置き換えるかは、お店を知らない人に一度見てもらうだけでも決まります。
名前が知られている料理はローマ字のまま、知られていない料理は英語で中身を伝えます。
お店のメニューを、名前が通じるものと通じないものに一度分けてみてください。
アレルギー表示は材料を書き、確認は口頭で答える
ここは書き方を間違えると、店が守れない約束をしてしまいます。
全品について保証まではしなくて大丈夫です。
聞かれる前に伝わる最低限だけ出しておいて、残りは口頭で確認する。
このくらいで10分だと思います。
表示すべきものと、口頭で確認すべきものを分ける
外食での表示の扱いは、消費者庁の公式情報を確認してください。
個別に判断が必要なときは、所轄の保健所に聞くのが確実です。
法令の話は、私が書いたものより公式の情報を直接見ていただいたほうがいいです。
参照先は消費者庁の食物アレルギー表示に関する情報です。
実際にやることとしては、各品に含む材料を書き出して、そこに「アレルギーがある方はスタッフにお申し付けください」の1文を英語で添えておく。
各品の材料の書き出しと1文の案内、このくらいが、店として無理なく続けられる範囲だと思います。
特定原材料8品目の英語名や、だし・醤油のように中身を説明しにくいものの伝え方は、こちらの記事にまとめています。
表示は材料の書き出しと1文の案内までとし、細かい確認は口頭で答える形です。
まずは各品の材料と、「アレルギーがある方はスタッフにお申し付けください」の1文を英語で添えるところから始めてください。
ベジタリアン・ハラルは「対応」と書かず「含む材料」を書く
Vegetarian、Halal と書いてしまうと、その基準を店が満たしていると受け取られます。
ただ、基準はお客様によって違います。
その判定まで店が保証するのは難しいので、書くのは判定ではなく材料にしてください。
Contains pork、Contains fish stock のように、入っているものを書いておく。
基準を満たすかどうかの判断はお客様にお任せします。
店が基準を満たすと判定せず、入っている材料だけを示すため、判断をお客様にお任せできます。
だし・調味料など見えない材料の扱い
かつおだし、しょうゆ、みりん、豚骨スープ。
見た目に出ない材料が、いちばん問い合わせにつながります。
野菜の料理に魚のだしが入っているのは日本の飲食店では普通のことですが、これは海外の方には分かりません。
だしの種類だけは、野菜中心に見える料理すべてに書き足しておいてください。
食べられないものは、店に着いてから分かるとは限りません。
お客様は、来店の前に案内役の人には伝えています。

食べられないものを事前に伝えてこられたお客様はいらっしゃいました。事前に把握できるものについては、訪れるお店に事前に電話をして特別対応が可能かを確認しました。焼肉のとき、グループのうち数名が牛肉を食べられず、結局その数名だけ個別に注文していただくことになってしまいました。
店から見ると、食べられないものへの対応は2つの場面に分かれます。
ひとつは、予約の電話で「この料理に何が入っていますか」「別の材料に替えられますか」と聞かれる場面。
もうひとつは、来店したグループのうち数名だけが別の注文をする場面です。
前者に備えるなら、料理に入っている材料の一覧を、紙のメニューだけでなく、電話に出る人がすぐ見られる場所にも置いておきます。
後者に備えるなら、コースや大皿の料理について「一部の人だけ単品に替えられるか」を先に決めておいてください。
決めていないと、その場でホールの人が判断することになります。
見えない材料への備えは、メニューだけでなく、電話で聞かれたときと、客席で頼まれたときにも必要です。
材料の書き出しを電話の近くにも置き、コースや大皿の料理を一部の人だけ単品に替えられるかを先に決めておけば足ります。
材料の一覧は、予約ノートと同じように、電話の横に置いておくものです。
特定原材料8品目の英語名と、言い切らない書き方は 飲食店のアレルギー表示を英語で にまとめています。
写真は「全品」ではなく「指させる料理」から入れる
写真は、料理をおいしそうに見せるために入れるのではなくて、言葉を使わずに注文を終わらせるために入れます。
だから、指を差せばそれで注文が済む料理から先に入れていきます。
スマホで撮る場合の明るさと角度の決め方
窓際の席で、昼の自然光で撮ってください。
店内の照明だと色が乗ってしまって、実物と違う色になります。
角度は真上か斜め45度か、どちらかにそろえます。
全品を同じ角度で撮っておくと、並べたときに大きさの比較ができるようになります。
写真を入れると逆に伝わらなくなる料理
見た目が似ている料理が並ぶときです。
丼もの3種、麺類4種が同じ構図で並んでいても、写真では違いが分かりません。
結局また説明文を読み直すことになります。
似た料理は写真を1枚に絞って、残りは文字で違いを書いたほうが早く決まります。
1ページに何品まで載せるか
写真を入れると、1ページに載る品数は減ります。
A4の片面なら6品くらいが目安です。
6品より増やすと1品あたりが小さくなって、指で差しにくくなります。
品数を減らせないのであれば、ページを分けてください。
1ページの品数を店だけで判断しづらいときは、訪日客を実際に飲食店へ案内するウォーキングツアーのように、お客様と店の両方に接している人にページを見てもらうのも1つの方法です。
1ページの品数は、指で差せる大きさを保てるかで決まります。
まずA4片面6品で作ってみて、入り切らない分はページを分けてください。
指してもらう紙そのものは、指差し会話シートの無料配布元 から選べます。
紙を直したらGoogleビジネスプロフィールも同じ内容に
紙のメニューを直しても、来店前に読まれるほうが古いままだと、店頭での説明は減りません。
外国人のお客様は、店の前に立つ前にスマホで店名を調べています。
メニュー情報の登録場所と入力できる項目
Googleビジネスプロフィールには、メニュー情報を登録する機能があります。
対応している業種や入力できる項目、言語の設定は変わることがあるので、作業を始めるときに公式ヘルプの内容を確認してください。
メニュー情報の登録はGoogle ビジネス プロフィールから行います。
入力できる項目は業種によって変わるので、管理画面に実際に出ているものが正しいと思ってください。
紙と食い違わせないための更新の順番
紙を確定させてから、オンラインを直します。
逆にすると、価格を変えるたびに2か所を思い出さないといけなくなって、たいてい片方が取り残されます。
版数のつけ方
紙の版数を右下に小さく入れておいて、オンライン側を更新したら同じ版数をメモに残しておく。
これだけで、どちらが新しいかが分かります。
とはいえ、この「オンライン側も直す」が、いちばん後回しになりやすいところです。
弊社が担当している店も、始める前はこのオンライン側の更新が進まない状態でした。

3ヶ月目くらいからです。それまでは、管理や返信が大変とのことで、特にGoogleマップの管理はノータッチでした。MEOの観点からは絶対にやったほうがいいです。ただ、作業時間をそこまで当てられなかったので、AIエージェントで自動化を図りました。
この話で見てほしいのは、効果がどれだけ出たかより、手をつける順番です。
やったほうがいいと分かっていても、店の時間の使い方ではどうしても後回しになります。
実際、来店されたお客様の質問がどう変わったかも、この案件では確認できていません。
なので、紙とオンラインの両方をずっと自分たちで管理する前提では、計画を立てないほうがいいです。
紙を直す日とオンラインを直す日は、同じ週にまとめます。
それも難しければ、あまり変わらない項目(料理名と材料)だけをオンラインに載せて、価格のようによく変わるものは紙だけに書きます。
紙とオンラインの二重管理は、ずっと続く前提で計画を組まないほうが安全です。
作り直した英語メニューを外国人客に渡して詰まる箇所を見る
作り直したメニューは、あくまで1つめの版です。
書き直したメニューが伝わったかどうかは、次のお客様が注文する様子を見るまで分かりません。
見るのは注文が決まるまでの時間と、指が止まった行
メニューを渡してから注文が決まるまで、お客様の手元を見ていてください。
指がどこで止まったか、どの行を2回見たか。
英語が分からなくても、見ていれば拾えます。
止まった行は、書いた情報が足りないか、逆に多すぎるかのどちらかです。
直す優先順位は「質問された回数」で決める
作り直したあとも、質問はいくらか残ります。
残った質問をまた正の字で数えて、多い順に直します。
最初にやったことをもう一度やるだけです。
メニューを1回で完成させようとしないで、何度か直していく前提で作っておくと、そのたびに全部を作り直さずに済みます。
手順は同じでも、どの料理から直すかは店によって違います。
どの料理から直すかで迷っているようでしたら、メニューの作り直しについて相談することもできます。
全品を訳さなくても、聞かれた料理を指で示せるようにしておけば伝わります。
まずはレジ横に紙を1枚置いて、聞かれた料理を数えるだけで足ります。
聞かれた料理から直す。全品を英訳しない
メニュー全部を英語にする必要はありません。
実際に聞き返される料理から順に直します。
全品の英訳に取りかかると、英語のメニューがいつまでも用意できません。
順にやるなら、この3つです。
11週間、聞かれた料理だけを書き出す
レジ横の紙で足ります。
直す対象が、書き出した料理で決まります。
2その料理に4つの情報を書く
英語名、材料、調理法、目安量。
翻訳ツールに任せられるのは英語名だけで、残りは店の人が自分で書く必要があります。
3紙を直したらGoogleビジネスプロフィールのメニューも同じ内容にそろえる
来店前に見るのはそちらなので、片方だけ直しても質問は減りません。
この3つが終わったら、全品に通し番号を振ってください。
メニューを書き直すより早く終わって、質問を減らす効果が大きい作業です。
番号があれば「Number seven, please」で注文が済みますし、それも言えなければ指1本で足ります。
迷ったときの基準は1つです。
指差しで注文が終わるかどうかで判断してください。
くわしく説明するより、指で差せるようにするほうが早く伝わります。
よくある質問
Q英語メニューの書き方に決まった形はありますか
A法律で決まった書式はありません。 ただ、1品につき英語名・材料・調理法・目安量の4つにそろえておくと、聞かれる質問がはっきり減ります。 項目を決めずに書くと、思い入れのある料理だけ説明が長くなって、読むほうは「店が推しているもの」と受け取ります。
Q英語メニューの見本はどこかにありませんか
Aこの記事の中に、実際に聞かれた5品(大根おろし・かまぼこ・卵焼き・梅酒・焼き魚)の見本と、和食・居酒屋・カフェの業態別3枚を置いています。 そのまま写して、材料の部分だけ自分の店のものに差し替えてください。 調理法の英語も8語だけ表にしてあります。
Q英語メニューは全品を英語にすべきですか
A注文が詰まる料理から先に直してください。 質問された回数を記録して、上位の十数品に英語名・材料・調理法・目安量をそろえるところから始めるほうが、全品を薄く訳すより手が届きます。
Q翻訳アプリだけで作ってはいけませんか
A下訳としてなら使えます。 ただし固有名詞・調理法・食感の3つは訳がぶれやすくて、そのまま出すと「これは何ですか」と聞かれる原因になるので、そこは人が置き換えてください。
Q料理名はローマ字と英語のどちらで書きますか
Aラーメンや天ぷらのように海外でも通じる名前はローマ字を残して、下に材料と調理法を添えます。 通じにくい料理は英語名に置き換えます。
Qアレルギー表示は英語でも義務ですか
A外食の表示については消費者庁の公式情報を確認したうえで、個別に判断が必要なときは所轄の保健所に確認してください。 この記事で扱っているのは、含む材料を書き出して口頭確認につなげる書き方までです。
Q写真は全品に必要ですか
A必要ありません。 指差しで注文が終わる料理から入れてください。 見た目が似た料理が並ぶと逆に迷わせてしまうので、写真を入れないという判断も含めて決めます。 外国人対応でお悩みならTABICOへ
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