訪日客はほぼ全員がGoogleマップで店を探している
訪日のお客様が滞在中に店を探すとき、開いているのはほぼ地図アプリです。株式会社Paykeが2025年6月に訪日客1,827名へ行った調査では、滞在中にGoogleマップを使ったと答えた人が99%でした(2025年7月17日発表)。
数字の細かいところより大事なのは、外国人のお客様が店を探す場所が、地図アプリにもう決まっているということです。
チラシでも看板でもなく、自分の店の地図アプリのページが、外国人のお客様にとっての入口になっています。
そのページに何が出るかは、店の側から変えられます。
変えられるのは次の欄です。
- 写真の並び順と、いちばん上に出る1枚
- 口コミへの返信
- 決済方法や言語対応などの属性
- 営業時間と、祝日・臨時休業の設定
- 予約ボタンの有無と、その先の予約先
- 店の説明文
ガイドが案内している最中も、お客様は自分のスマホで店や行き先を調べています。

ツアーの案内中、お客様がご自分のスマホで開いていたのは、Googleマップとインスタグラムでした。
ガイドが付いていてもこうなので、ガイドなしで店を自分で探している人は、なおさら地図アプリを見てどの店に行くかを決めています。
まず自分の店の地図アプリのページを開いて、いま挙げた6つの欄がどう出ているかを見てください。どこを直すかは、そのページを見てから決まります。
外国人が地図アプリで見る順番|写真・星・口コミの順
地図アプリの店舗ページは、上から、写真、星の平均と直近の口コミ、決済方法などの条件と営業時間、店までの距離という並びで作られています。外国人のお客さんは店舗ページをこの順で見ていくので、この並びがそのまま、店側が直す欄の順番になります。
| 上からの順番 | ページに出ているもの | 店の側で直せる欄 |
|---|
| 一番目 | 一覧と店舗ページの1枚目の写真 | 写真 |
| 二番目 | 星の平均と、直近の口コミ数件 | 口コミへの返信 |
| 三番目 | 決済方法などの条件と、今開いているか | 属性・営業時間 |
| 四番目 | 店までの距離と行き方 | 変えられない |
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最初に目に入るのは写真で、星の数はそのあと
検索の一覧に並ぶのは、写真と店名と星の平均です。
日本語のメニューも英語の説明も読めない状態で見ると、訳さなくても分かるのは写真だけになります。
地図アプリの一覧に出る1枚目の写真が外観だけ、あるいは暗い店内だと、お客さんは店の中身が分からないまま、その1枚だけで次の店に移ります。

お客様が地図アプリを開いたとき、見ていたのは店名と写真です。星の数や口コミを開いて読むところまでは、その場では見ていませんでした。
その場で口コミまで読まない人もいる、ということです。
自分の店を検索して、一覧に出ている1枚目の写真と店名だけを見て、何の店か分かるかを確かめてください。
最後に見られるのは営業時間と、店までの距離
距離は店の側で変えられません。
距離を理由に選ばれなかった分は、あとから取り返せない部分です。
裏返すと、写真と口コミで残りさえすれば、その店の近くにいる人には最後まで見てもらえます。
営業時間の設定が空だと、その最後の段階で外れます。
直す欄は5つ|写真・口コミ・言語・店名・属性
お客様が見る順に、直す欄を5つ並べます。
上から順に手をつければ、見られている欄から先に埋まります。
写真|料理・店内・入口の3枚を出す
地図アプリでお店の情報を開いたお客様が最初に見るのは写真なので、直すのは写真からです。要るのは、何を出す店かが分かる1枚、席の様子が分かる1枚、入口が分かる1枚です。
写真の差し替えは、Googleビジネスプロフィール(地図アプリに出る自分の店の情報を、店側が書き換えるための無料の管理画面)から行います。
写真以外の欄をどの順に埋めるかは Googleビジネスプロフィールの外国人対応、店名と説明文の英語表記は 店舗情報を英語表記にする手順 にあります。
この3枚がそろっていれば、外国人のお客様は「何の店か」「入って落ち着けるか」「どこから入るか」を、文字を読まずに確かめられます。
お客様が見ているのは1枚目の写真だけではなく、2枚目から先の並び順も見られています。

写真を入れ替えるときに、いちばん時間をかけるのは1枚目です。そのあとの順番にもストーリー性が要るので、並び替えと選び直しをまとめて行いました。
3枚を用意したら、すぐに登録せずに、1枚目から順に見ていって、写真の並びが店の説明として自然につながるかを確かめてください。
料理、席、入口の順に並べておくと、お客様が来店前に知りたいことと同じ順番で、写真が答えになります。
書き換えた内容を保存してから、地図アプリの画面に出るまでの時間は、直した欄によって違います。
私が見てきた範囲では次のとおりです。
| 直した欄 | 表示に出るまで |
|---|
| 写真 | 数時間 |
|---|
| 予約ボタン | 2〜3時間 |
|---|
| 説明文 | 早ければ数10分、遅くても数日 |
|---|
写真は、差し替えた結果をその日のうちに確かめられる欄なので、朝に差し替えて、昼に自分のスマホの地図アプリで表示を確かめられます。
入口の写真は、外国人客が店の前で迷わないために要る
Googleマップの道案内は、建物の前までしか教えてくれません。
のれんの位置、2階への階段、隣の店との境目が分からないと、店の前まで来たのに別の店に入ってしまうことがあります。
道から見て入口が分かりにくい店では、写真だけでなくGoogleマップの投稿も使えます。

店が2階にあって分かりにくい場合などは、入店の方法をGoogleマップの投稿や写真で補足しています。
2階の店なら階段の上り口、路地の奥の店なら路地の入口を、道から見た角度で撮って、Googleマップの写真に足しておきます。
夜に営業する店なら、店の明かりが点いている時間帯の写真も1枚あるとよいです。
口コミ|星の数より、直近の返信が読まれている
星の平均は、今日直しても明日には変わりません。読まれているのは直近の口コミ数件と、そこに店からの返信が付いているかどうかです。返信は今日から書けるので、写真の次に取りかかる欄になります。
星4.2と4.4を見比べて店を決める人は、ほとんどいません。
同じ星4.2でも、直近の口コミ3件が同じ不満を書いていて、そこに店から何も返信していない店と、返信が付いている店では、読んだあとの印象が変わります。
全件返さなくても、直近の数件に返信があれば読まれる

弊社が担当している店では、返信のない口コミが数百件たまっていました。いまは月に2回、一度に10件ほどをまとめて返しています。全部には返していません。星1・星2のものは、文案をお店の方に考えてもらってから返しています。
たまっている分を全部返してから始めよう、と考えると、いつまでも始められません。
新しい口コミから順に、直近の分だけ返信すれば、これから来る人に読んでもらえます。
低評価の口コミに返すときは、書かれた内容を否定せず、指摘された1点だけを挙げて、そこを見直すと書きます。この返信を読んでいるのは投稿した本人ではなく、これから来るかどうかを決めている人なので、その人に向けて書くほうがよいです。
英語の返信をどう組み立てるか、星ごとの例文と、事実と違うことを書かれたときの返し方は、こちらの記事にまとめています。
言語|口コミは英語だけではない。届いた言語で返す
外国語の口コミが英語だけ届く、ということはありません。何語で返すかは、自分の店に届いている言語を見てから決めるほうが確実です。

弊社が担当している別の店では、英語と韓国語の口コミが多く、中国語は少ない状態です。返信は、書かれた言語に合わせて返しています。
英語のテンプレートを1つ用意しても、届いた言語には合わない
英語の定型文を1つ作って、どの口コミにも同じ返信を使うと、韓国語で書いた人には読めない返信が届くことになります。
いま付いている口コミを原文の表示に切り替えて、何語が多いのかを見てみましょう。
管理画面に言語ごとの集計はないので、画面を上から見ていくことになります。
2つ目に用意する言語は、数えてみて一番多かった言語にします。
言語が変わっても、返信に入れる中身は同じで構いません。
私が返信に入れているのは2つです。
- 口コミを書いてくれたことへのお礼
- 来店してくれたことへのお礼
翻訳にかけた文をそのまま貼ると、どの店から返ってきても同じに読める一般的な文章になります。
その口コミに書かれていた言葉を1つ入れるだけで、その人の口コミを読んで書いた返信だと伝わります。
店名|カテゴリとあわせて、日本語のままでいいのか
私が見てきた範囲では、店名が日本語のままでも、英語表示のGoogleマップには訳された形で出ています。Googleのヘルプに「店名を翻訳して出す」という記載は見当たらないので断定はできませんが、店名だけが理由で外国人のお客様に見つけてもらえない、ということはまず起きないと考えています。
カテゴリ(店の業種を、決められた選択肢から選ぶ欄)も選ぶだけの欄なので、自分で英語に訳す必要はありません。
店名を英語にすることに時間を使うより、同じ時間を写真の追加と口コミへの返信に使うほうが、外国人のお客様の来店は早く増えます。
店名の英語表記は、写真・口コミ・属性(支払い方法や設備の有無を選ぶ欄)・営業時間の入力が済んだあとで間に合います。
英語の店名が要るのは、行った店をあとで思い出すとき
英語の店名が要るのは、外国のお客様が店を探すときではなく、その店に行ったあとです。

ツアーでお連れしたお客様が、前日に行ったお店を思い出せないことはあります。日本語のお店の名前は、読めない方にとっては覚えにくいようです。
外国のお客様に口コミを書いてもらうときや、そのお客様が友人にお店の名前を伝えるときには、英語の店名があるほうが伝わります。
急ぎではありませんが、いずれはGoogleマップの店舗情報に足しておきたい欄です。
英語表記を足すときの操作は、こちらの記事にまとめています。
属性|営業時間とあわせて空だと、比べる段階で外れる
写真と口コミで候補に残った何軒かを、外国人客が並べて比べる段階で見るのが、属性と営業時間です。属性とは、決済方法・言語対応・Wi-Fiの有無といった店の条件を、チェックで選ぶ欄のことです。
ここが空だと、外国人客は自分の条件に合う店かどうかを確かめられないまま、次の店に進みます。
Googleは「ビジネス情報の内容が充実していて正確なほど、ローカル検索結果に表示される可能性が高くなります」と書いています。
個別の項目にチェックを入れたから順位が上がるという話ではなく、プロフィールに書かれている項目の量と、その内容の正確さをGoogleが見ていると読める書き方です。
出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」
決済方法の属性は、使える手段すべてにチェックを入れる
現金しか使えない店なら、現金だけにチェックを入れます。
現金もカードも電子マネーも使える店なら、その3つすべてにチェックを入れます。
カードが使えるかどうかは、外国人のお客様が店に入る前に確かめている条件です。
属性は国や業種によって出てくる項目が変わるので、自分の店の管理画面に出てこない項目は、探さなくて構いません。
出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「属性を管理する」

弊社が担当している店では、決済方法の属性が空のままでした。どの支払い方法も使えるお店でしたので、最初のチェックは私が入れて、そのあとの更新はお店の方に引き継いでいます。
全部の欄を埋めようとすると、どれも終わらない
管理画面を開くと、記入していない欄がいくつも出てきます。
上から順に全部の欄を埋めようとすると途中で日が変わり、翌週にはもう管理画面を開かなくなります。
この章で埋めるのは、決済方法の属性と営業時間の2つだけで構いません。属性のほかの欄をどの順で設定するかについては、別の記事に書きました。
決めたあと、店の前と会計でつまずく場所
地図アプリで選んでもらえても、店の前と会計でお客様が困れば、そのことが次の低評価の口コミに書かれます。

現金しか使えないことを理由に、お客様が入店をやめた場面は、私が見た範囲では起きていません。
実際に支払いができなくなるのは、カードの暗証番号を入れる場面です。
海外のお客様の側も、日本には現金しか使えない店があることを知っていて、日本円の現金を持って来ています。
一方で、海外で発行されたカードは、暗証番号のところで通らないことがあります。
その場でできることは3つです。
- 「もう一度カードを差し込んでください」と伝えて、別のカードを試してもらう
- それでも通らなければ、現金で受け取る
- お客様の手持ちの日本円が足りない場合は、コンビニやホテルで両替できると伝える
この3つを店員の誰もが言えるようにしておけば、会計の場面は支払いまで進みます。

カードが使えなかった場面は何度か見ていますが、お客様のほうが慣れていて、英語と身振りだけで別のカードを出して支払いを終えていました。
店員の方が話していたのも、長い説明ではありませんでした。

カードが通らなかったとき、店員の方は「もう一度お願いします」と言っていました。
決めておくのは英語の文章ではなく、カードが通らなかったときに何と言うかの一言です。
日本語のメニューしかない店ほど喜ばれることもある
英語のメニューが無いことは、そのまま弱点になるわけではありません。
日本の人しか来ない店に入ること自体を目当てにしているお客様もいます。
ただし、注文が決まらないまま時間がかかると、それが低評価の口コミの理由になります。メニューを全部英語にしなくても、お客様によく聞かれる料理だけ、メニューに英語の名前を足しておくと、注文が決まりやすくなります。
どの料理を聞かれるかは、その店で出している料理によって変わります。
自分の店で実際に聞かれた料理から、メニューに英語の名前を足しましょう。

ツアーで「これは何?」と聞かれるのは、決まって小鉢の付け合わせや練り物です。品名を英語で答えれば、それ以上は聞かれません。
言葉が通じずに困るのは、会計のときだけではありません。
席の案内、注文の出し方、トイレの場所も、言葉が通じないとその場で話が止まってしまう場面です。
言葉で説明せずに済むように、指で示せるもの(席の配置を描いた紙、注文用の紙、トイレの方向を示す矢印)を先に用意しておくと、お客様を待たせずに案内できます。
地図アプリから予約に進めない店はどうするか
予約が要る店なら、地図アプリの自分の店のページに予約ボタンが出ているかを先に確かめます。Google検索から自分の店のプロフィールを開き、[予約]を選んで[リンクを追加]でURLを入れます。
Googleマップからなら[プロフィールを編集]を開き、追加したい取引の種類を選んでから[リンクを追加]です。

同じ店で、管理画面の「予約」から設定して、地図アプリに予約ボタンが出たのは2〜3時間後でした。
予約先は自社サイトかOTAか、外国語で最後まで進めるほうを選ぶ
OTAとは、宿泊や体験の予約をネット上で受け付けている予約サイトの総称です。
予約ボタンを押したときに開くページは、次の基準で1つ選びます。
- 自社サイトで、外国語のまま予約が最後まで終わるなら、自社サイト
- 途中で日本語の入力が要るなら、すでに掲載しているOTA
- 自社サイトもOTAへの掲載も無いなら、OTAへの掲載を済ませてから予約リンクを設定する
予約ボタンを押した先で日本語の入力を求められると、外国人のお客さんはそこで予約をやめてしまいます。予約リンクを設定したあとに、自分でその予約ページを最後の画面まで進んでみるとよいです。
どのOTAに載せるか、1社目をどう選ぶかを扱った記事があるので、そちらを見てください。
どの欄から直すか|今日・今週・今月に分ける
直す順番は、外国人のお客様が見る順番と同じで構いません。写真、直近の口コミへの返信、属性と営業時間、予約リンクの順です。店名の英語表記は、この4つが済んでからで間に合います。
| いつ | 直す欄 | やること |
|---|
| 今日 | 写真 | 1枚目を、何を出す店か分かるものに差し替える。席の様子と入口の写真を1枚ずつ足す |
| 今日 | 口コミ | 直近の数件のうち、返信の付いていないものに返す |
| 今週 | 属性 | 決済方法に、使える支払い方法すべてのチェックを入れる |
| 今週 | 営業時間 | 祝日と臨時休業の設定を埋める |
| 今月 | 予約リンク | 外国語で最後まで進める予約先を1つ決めて設定する |
| 今月 | 店名 | 英語表記を足す(ここまで済んでからで構わない) |
スクロールできます →
明日から順に進めるのは、次の3つです。
- 1つ目は、店舗ページの1枚目の写真を差し替えること
- 2つ目は、返信の付いていない直近の口コミに返すこと
- 3つ目は、決済方法の属性と営業時間を埋めること
広告を考えるのは、写真、口コミへの返信、属性と営業時間、予約リンクの4つを終えたあとです。

弊社で広告を出しているお店では、出稿を始めてから、飛び込みのお客様が休日は多くて1日5件、平日は2〜3件です。
広告を出しても出さなくても、お客様が最後に着くのは同じ店舗ページです。
店舗ページが空のまま広告を出すと、広告を見て来てくれたお客様が、そのページを見たところで来店をやめてしまいます。
迷ったときは、外国人のお客様が先に見る欄かどうかで決めてください。先に見られる欄ほど、直したときの変わり方が早く出ます。
インバウンド集客でお困りの方はぜひTABICOにご相談ください。